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呪われた一日(その2) [ペットとの日々]

 友人と昼食をとっても大学の現状は暗い話ばかり,民営化した後の大学にはもう”教育業”のような企業しか残っていないのかと言いたくなる.軽い頭痛がして,コーヒーの味がしない.いいかげん話を切り上げて工房に戻ったのは2時ごろだろうか.リラはどうしているだろうと思い小屋の扉を開けたらまたもや固形飼料が部屋中にばらまかれていた.しかも敷いてあるカーペットは小でびしょびしょである.これにはもう限界という感じで反射的にどなってしまった.あまり怒っても何故か分からないのであれば改善の足しにはならないだろうと理性の声は言っているが,そうだとしてもまずいことをやらかしたということは分かって欲しいと思ったのかもしれない.もちろん留守番をしていたおやつも中止でアトリエの中の片付けに戻ることにした.
 しばらく清掃しなかったため部屋中に道具が散乱し,それをプラスチックの整理箱に納めていたら足の踏み場もなくなってしまった.事故が起こったのはこの時である.重い箱を両手でかかえて別の箱をまたごうとした時見事に転んでしまった.まさに骨折した時と同じ形で足も同じような場所をしたたか打ちつけてしまった.がらくたが転がる音と同時に,しばらく起き上がれずうずくまってしまった.こわごわ足首を触ると前回のような足首の反転は起こっていない.おそらくチタンの金属板とネジ7本をそのままにしておいたのが幸いしたのであろう.
 この後電動丸鋸を使って薪の置場をつくるつもりであったが,何か指が吹っ飛びそうで自粛しなくてはというかすかな声に従うことにした.自動車の運転もそうであるが,免許とりたては意外と事故が少ないらしい.だんだん慣れた3年ぐらいからの方が事故が多いとか.最近は機械の使い方が荒く気にはなっていたが・・.
 日が傾いてきたので再度リラと散歩することにした.ここでまた別の事件が起きた.山道をリラと下っていくと黒い大きなイヌがこちらをじっと見ている.甲斐犬の野良がいることは知っていたが,リラと身近で遭遇したのはこれが始めてだと思う.とっさに石を威嚇のため投げたがじっとこちらを見たまま動く気配が無い.リラは興奮して突進しようとしている.はっとその時気付いたのであるが今は犬の発情期なのだ.明らかに2匹とも興味しんしんで一向に逃げようとしない.こちらの方が逃げたらそれこそ追ってくるだろう.しかたがないのであるったけの大声を出して威嚇の石を投げ続けた.幸いなことに,その野良は名残惜しそうに後ろを振り返りながら坂道を下りて行った.問題はその後のリラで,小屋に入ろうとしない.何とかなだめて小屋に押し込んでいるうちにこちらまで憂鬱になって来た.僕は物事を深刻に捉える傾向が強いのだが,今回もまた何かが動きだす気配がしたように思う.(続く)

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