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何かが始まり生まれる時は [生物システム]

シュンラン2008a.jpg
コオヤボオキ2008-325.jpg
ミズナラ2008-325.jpg
今日松林の中の自家製散歩道をぶらぶらしていたら
シュンランがそこかしこで白い花をつけていることに気付きました.
コナラの芽はまだ小さく茶色ですが,
冬に薄いピンク色の花を咲かせていたコウヤボウキなど
もうあと少しで葉がこぼれそうに芽が成長しています.
もう春なんですねわーい(嬉しい顔)
日本シュンランは1茎1花で他の東洋シュンランとは違いますが
ランマニアは昔から多くてスルガランの斑入り種に100両の値がついたそうです.
昭和に入っても大流行した時が有って,
その時は数百万円で取引されたものも有ったとか,ちょっと無粋な話ですが.
この時期は珍しいランを求めて山に入るひとに出くわすのですが,
工房のまわりのありふれたランには彼等は見向きもしません.
でも去年から積もった分厚い落葉をおしのけて
地上に顔を出した3,4cmの可憐なランを観ると不思議な気分になります.
開花といっても無から始まるわけではなく
花の芽は冬の間土中に隠れていて,休眠抑制因子が減少するか
ないしは休眠抑制を壊すような機構が働くのではないかと思ったりするが,
この種の生物機構に詳しくないのでうっかり信じないで下さい.

一般に生物の活動が突然停止状態に入ったり
逆にその停止状態を自ら破って再開したりすることはよく有るのですが,
それが内因的なものとは必ずしもいえないようです.
身近な例として細胞分裂を例にとりますと
卵のような雌性配偶子形成ではヒトの場合減数分裂
(配偶子形成で見られる独特の有糸分裂;引き続く二回の有糸分裂
を含む)の第一回目の分裂の前期の段階で突然長い眠りに入ってしまいます.
これではいけないとこの卵のもとになる卵母細胞が
一定時期になると自ら目覚めるかというとそれは出来ない,
外からのホルモンのような刺激が直接・間接に必要なんですね.
無脊椎動物,両生類,ヒト等では細かい機構が異なるので
こういうもってまわった言い方になってしまうのですが,
要するに細胞内の起爆装置のようなものだけで細胞が目覚めない
と言ったらよいでしょうか.

ちょっと話は飛ぶのですが
物理や数学の世界に生まれたり始まったりする考え方ってあるのかな
とか以前考えたことが有ります.
宇宙物理のような物質界の歴史を対象にした時は
もちろんそれは有るのですが,
自然史的なものは物理の学問体系から演繹されるものでは無いのです.
歴史的なものが入るとそれはどのような分野であろうとあたりまえですが
何かが始まり,生まれるということが重大関心事に成ります.
僕がいつも混乱におちいるのは
あるシステムの内側に自己創出的に発展(消滅)の第一原因が有るのかどうかという点です.実はこの問題設定自体間違っているのかもしれません.
書き出すと長々と展開しなくてはいけないので別の機会にしますが,
例えば一人の人間というシステムを考えた場合
その人間がある事を開始する時,
その生成・発展・消滅をどのように理解したらいいのかという問題に繋がると思うからです.



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